Responsible Gaming(レスポンシブル・ゲーミング/責任あるゲーミング)とは

 

 ゲーミングは、ギャンブリングとほぼ同じ意味でつかわれますが、PCやインターネット環境の普及によって勝負・競技、ゲームをプレイすることを含めた幅広いニュアンスを持った用語です。カジノ施設内のギャンブリングという限定的な意味合いで用いられることもありますが、最近は政策レベルの用語として社会や産業が持続的に発展することを目的として、国、行政、事業者等によって統制が図られたギャンブリングを「ゲーミング」と表現することが多くなっています。RCPGは、昨今の政策レベルの用語に準じた意味でゲーミングという用語を使用します。

 

 「Responsible Gaming(責任あるゲーミング)」は、ギャンブリングに関連して起こる可能性がある害について、それを予防し、できるだけ少なくするためのフレームワークとその実践のことを意味する用語です。 

 フレームワークには、企業の自主的な取り組みから自治体・国の政策・法制までが、独自に、または協働する様々なレベルと形が存在します。「Responsible Gaming(責任あるゲーミング)」はその「対策の考え方や取り組み」であり「呼び名」にも相当します。

 「Responsible Gaming(責任あるゲーミング)」の主眼は、すでに起こってしまった問題に対する後からの対策だけではなく、ギャンブリングの負の問題が起きる前に対策を講じ、そしてより健康的な行動習慣を促進しようとする公衆保健プロジェクトの展開にあります。

 

 「Responsible Gaming(責任あるゲーミング)」には二つのレベルがあります。

 一つめのレベルは、プレーヤーが自分自身の遊びに対して責任をもってもらうミクロレベルの取り組みです。具体的には、教育的な働きかけや啓発によってプレーヤーにはゲーミングがどのような遊びで、どのような知識と注意が必要であるかを理解してもらった上で、プレーに参加してもらいます。さらに、消費や損失を伴う娯楽であり、お金や時間の制限が安全な遊びには役立つこと、過度のギャンブリングがプレーヤー自身だけでなく家族や職場の人たちも巻き込む問題となってしまうことを理解してもらいます。

 もう一つは、問題ギャンブリングの発生を抑えたり、過度のギャンブリングや問題ギャンブリングになりつつある人たちの手助けを抑えたりする事業者や行政、対策機関などが連携した組織的な取り組みを行うマクロレベルのアクションです。

 ゲーミング産業(ゲーミングに関わる企業・法人などの総体、広義のゲーミング産業にはゲーミング産業からの収益を受ける通信産業や銀行も含まれる)から得られた税収の一部を政府や自治体が啓発キャンペーン、予防、ケア、調査の研究や実施を通して社会に再配分する方式(海外ではRevolving Account等と呼ばれている)をとっている国及び地域も増えています。

 ゲーミング事業者(ゲーミングに関連する事業を行う企業や法人。公営のゲーミングでは運営する公的組織が日本の宝くじのようなLotteryやビンゴを展開する場合、その販売主体や販売者も事業者となる)は、この問題に取り組む民間団体の活動支援、ギャンブリング場からのATMの撤去、自己排除プログラムの提供、専門的なケアが必要となる可能性がある人々への情報提供のサービス体制構築の支援等を提供しています。

 誰かだけが責任を負うのではなく、国や自治体などの行政、事業者、問題解決や健康を支援する組織・団体が「それぞれの責任範囲」と「対策範囲」を実証的に検証しながら連携して、プレーヤーやその周囲の人を「守る」取り組みが「Responsible Gaming(責任あるゲーミング)」です。