• Addiction(アディクション;嗜癖(しへき))は、海外では当初「麻薬に溺れた状態」を指す侮蔑的なニュアンスを持つ日常用語であった。その後、アルコールや薬物依存の回復に取り組む当事者や支援に当たる援助職者が「依存症(後にdependenceの医学用語となる)」が無い時代にアルコールや薬物使用への過度ののめり込み、自制困難となった病的な状態またはその病態をAddiction(アディクション)と呼んだ。疑似医学用語として広く使用され1960年代頃までは「病的な依存」(依存症)と同義的に使用された。その後WHOにおいて依存症(dependence)が疾病診断名として定められたため、海外ではアルコール・薬物依存の当事者活動などを除くと行動習慣が「夢中になる」「はまる」「度を超す」状態を表現する一般用語として定着した。日本では1980年代後半に、医療・福祉業界のみならず社会的にアディクションという用語が広まり、古典的な依存症から海外の一般用語のニュアンスまで定義や概念が定まらないまま用語のみが定着している。DSM-5にてAddictive Disordered(嗜癖障害)が登場し、古典的な依存用概念との混同・混乱が続いている。